
ホリエモンこと堀江貴文さんの著書「これからを稼ごう 仮想通貨と未来のお金の話」が2018年6月28日に発売されました。この本は、特にこんな方におススメです。
- 仮想通貨の初心者
- 仮想通貨に興味はあるけど詳しく知らない
- 仮想通貨の未来に懐疑的
- 仮想通貨の歴史や将来性について知りたい・考えたい
しかも監修が、日本デジタルマネー協会の理事も務める、日本を代表するビットコイナー大石哲之さん(@bigstonebtc)。そりゃ読む前から期待度せずにはいられませんよね。
仮想通貨について全くの初心者でも、分かりやすい事例とポイントでの説明があり、とても読みやすいです。正直インターネットで時間をかけて情報収集するくらいなら、2時間くらいかけてこの本1冊読んだ方が断然良いです。
仮想通貨にある程度の知識がある方は、さらに興味を深めることができるでしょう。ぼくは毎日仮想通貨のことを考え、欠かさず情報収集しています。しかしこの本は、情報量が想像の上をいき、「いい意味」で裏切られました。
「これからを稼ごう 仮想通貨と未来のお金の話」はどんな本なのか

この言葉から始まるこの本は、基本的に「仮想通貨」にまつわる内容です。
仮想通貨と出会って2年弱、ぼくは「仮想通貨」や「お金」に関する様々な本を20冊以上読んできました。その中でも「これからを稼ごう 仮想通貨と未来のお金の話」は、間違いなく最高の1冊となりました。(著書の中でも触れられていた「お金2.0」を超えました)
本書では、
- 仮想通貨の歴史
- ポイントとなる事件の解説
- 初めて明かす自身の経験
- 未来を見通す知見
などから、堀江さんなりの見解が書かれています。
起業家として幅広くビジネスを展開してきた、堀江さんだからこその「圧倒的説得力」をもって語り尽くされた内容です。
しかも堀江さんは、2011年と早くからビットコインの仕組みと可能性を理解していたようですね。当時から今に至るまで、「考えがブレていない」ことが本書から読み取れます。
ビットコインだけでなくアルトコイン(イーサリアム・リップル・NEM 等)の仕組みや特徴、堀江さんならではの見解が記されていたところも興味深いです。
きっかけはイーサリアムのICOツイート
正直ぼくは、堀江さんにここまで仮想通貨に関する知見があるとは知りませんでした。Twitterでフォローはさせて頂いておりますが、仮想通貨に言及はそう多くはないからです。
そんな中、堀江さんが2014年8月にイーサリアムのICOに投資していたことを知り、以下のツイート。そして引用リツイートを頂きました。
秘密鍵忘れて塩漬け https://t.co/QEvMFDSeGf
— 堀江貴文(Takafumi Horie) (@takapon_jp) August 2, 2018
イーサリアムに投資した後に、秘密鍵を解除するパスワードを忘れて取り出せない(セルフGOX)とのこと。今なら当時から1000倍以上の値がついており、その価値は数千万円。ぼくなら立ち直れないレベルです。
これが著書の中でも語られていると知り、今回この本を読んでみました。
今でもたまにパスワードを思い出したように打ち込んでみるものの、うんともすんともいわないらしい。
ちなみにこの時、堀江さんはEthereumを「エセリウム」と発言していますが、その後市民権を得ている「イーサリアム」と命名したのは監修である大石さん。感慨深いものがありますね。

堀江さんは始めてイーサリアムの存在を知った時、「身震いを覚えた」とのことでした。
イーサリアムの成り立ちからスマートコントラクト(契約の自動執行)の有用性、それによって社会がどう変わっていくかが語られています。
そして身震いしたのは、ぼくも同じ。
イーサリアムには社会の仕組みを一変させる、常識を変える力があると思っています。
ぜひイーサリアムについてまとめた、「イーサリアム(Ethereum)とは?特徴と2つの大きな課題を簡単解説」の記事を見てください。本書とあわせて確認いただくと、なぜイーサリアムに期待するかがわかってもらえると思います。

【感想】仮想通貨本としておススメできる最高の1冊
ちなみにこの本は、「ビットコインすごいよ!儲かるよ!」って感じの内容ではありません。堀江さんのこれまでの経験や考えを元に、これからの「お金」という存在を考えさせられる本です。
そして、強く印象に残る最後を締めくくった言葉がこれ。
社会実験を楽しもう。
テクノロジーを信じよう。
未来は決して悪くない。
今の時代には無駄が多すぎる。テクノロジーでほとんどは最適化できるという考え方です。
「そもそも国って枠組みも必要なのか?」って問いかけも面白いですね。
仮想通貨の投機性が話題になることが多いですが、本質はテクノロジーであり常識が常識でなくなろうとしているところにあると思っています。
Amazonレビューも参考にしたり、Kindleにて無料で序論を読むこともできるので、是非見てみて下さい。ほんとおススメです。
Introduction ── 仮想通貨は問いかける
第1章 僕らは1000年に1度の転換期を迎えた
マウントゴックス事件で学んだこと/盗難 NEM と日本銀行券 /通貨の歴史で最大級のインパクト /「投機」はなぜ必要なのか/ビッグマネーという経験/世界中にお金が余っている
第2章 ビットコインと自由
初めてビットコインを知った時/ビットコインの基礎を知ろう/ブロックチェーンとマイニング/リバタリアンの思想/資産防衛としての仮想通貨/お金を作るということ/干渉させない仕組み
第3章 イーサリアム革命
ヴィタリック・ブテリンという異能/スマートコントラクトとは/社会のすべてが変わる時/DAOが提示する未来の組織/ICOとは何か/ICO、その本当の価値
第4章 国家と通貨と仮想通貨
リップル人気の理由 /銀行コインと共通ポイント/リスクを取るということ/デジタル法定通貨の可能性/テクノロジーは超越する/規制とイノベーションのいたちごっこ
第5章 トークンエコノミーの中で
シェアリング2.0時代/クラウドファンディングの可能性/評価経済社会の指針/お金が要らなくなる社会/君はどう生きるのか/評価経済への不安/すべては〝これから〟のこと
終わりに ── エストニアにて