この記事では5種類に分類されるウォレットにおける用途・安全性の比較と、それぞれの特徴を詳しく解説します。必ずやあなたにとっての、最適な仮想通貨の管理方法が見つかるでしょう。
みなさん、仮想通貨を買った後、どこで管理していますか?
取引所で保管してるってことは、その仮想通貨の所有権は取引所にあるのと同じです。基本的に取引所がハッキングにあえば、法律上ユーザーの資産は失われます。
ウォレットのそれぞれの特性を理解して、安全に自己管理しましょう。
目次
仮想通貨ウォレット5種類の早見表
ウォレット(Wallet)とは、和訳するとそのまま「財布」です。
仮想通貨を管理するにはウォレットが必要で、このウォレットがノードとなり、私たちとそれぞれの仮想通貨ブロックチェーンとの橋渡しをします。この仕組みについては、「【簡単図解】ブロックチェーンとは?いまさら聞けない3つの特徴と仕組み」でも説明しましたね。

仮想通貨のウォレットは大きく5つに分別され、それぞれに特性があります。
種類 | ホット/コールド | 主な用途 | 安全性 |
---|---|---|---|
ウェブウォレット | ホット | 仮想通貨取引所のオンライン上で管理されるウォレット | ![]() |
モバイルウォレット | スマホに専用アプリをインストールして管理する | ![]() |
|
デスクトップウォレット | ホット・コールド | PCに専用のソフトウェアをインストールして管理する | ![]() |
ハードウェアウォレット | コールド | 専用デバイスをUSB接続して秘密鍵を管理する | ![]() |
ペーパーウォレット | 秘密鍵を紙印刷して保管する | ![]() |
ざっくりとこんな感じです。それぞれのウォレットの特性については、これから詳しく説明します。が、よくわからない単語が出てきました。
ウォレットを知る上での前提知識
ウォレットの特性を知る上での前提知識として、「秘密鍵」「ホットウォレット」「コールドウォレット」を理解する必要があります。
まずはこの意味を理解しておきましょう。
秘密鍵とは何か
秘密鍵と聞いてどのようなイメージを持つでしょうか?
おそらくあなたのイメージ通り、誰にも知られてはいけない「秘密にしておかなければならない鍵」です。
財布の紐は秘密鍵で守られており、この秘密鍵を盗難されれば、ウォレットで管理している資産は全て盗まれてしまいます。
秘密鍵を知っているということは、そのウォレットで管理している資産を動かす権限があるということです。よって、仮想通貨を管理するということは、いかにこの秘密鍵を安全に管理・保管するか(これがとても重要!)にかかっています。
仮想通貨資産の管理は、この一言に尽きるといっても過言ではありません。銀行で置き換えるなら、ウォレットのアドレスは口座番号、秘密鍵はパスワードです。しかし、仮想通貨の場合、秘密鍵の再発行はできません。

ちなみに、この秘密鍵を複数人で管理するウォレットを「マルチシグウォレット」といいます。万が一、1つの秘密鍵が盗難にあっても、3人中2人の署名がいるとしておけば、資産が盗まれることはありません。
ウォレットの中にあるのは秘密鍵
ここまで来てちょっとややこしいことを言いますが、ウォレットの中に仮想通貨がある訳ではありません。ウォレットで管理しているのは「秘密鍵」であり、仮想通貨の資産はブロックチェーン上に存在します。
パソコンやスマホにインストールしたウォレットのソフトウェアが、ブロックチェーンを覗きに行くインターフェースとなって、秘密鍵で資産を動かすことができるイメージでいてください。
ホットウォレットとコールドウォレットとは
ウォレットを2つに大別すると、ホットウォレットとコールドウォレットに分別されます。
簡単に言うと、インターネットに繋がっているか否かです。
ホットウォレットとは、常時インターネットに繋がっていて、いつでも送金が可能なウォレットです。いつでも操作できるためとても便利ですが、絶えずハッキングの脅威にさらされ、安全性に劣ります。
コールドウォレットとは、基本的にはインターネットから切り離されて管理されるウォレットです。取引時には繋ぐ必要があるので、極端に接続時間の短いウォレットと捉えたら良いと思います。安全性は高いが、取引時にはインターネットに繋ぐ手間がかかり、破損や紛失の危険があります。
仮想通貨ウォレット5種類の特徴
上記の前提事項を踏まえた上で、5つのウォレットについて説明します。それぞれのウォレットに、メリット・デメリットがあります。
1.ウェブウォレットとは
ウェブウォレットは、インターネットが繋がれば、どのコンピュータからもアクセスが可能です。仮想通貨取引所で管理されるウォレットがそれにあたります。
しかし、セキュリティ面の対策はサイト管理者に一任され、私たちでの秘密鍵の管理はできません。
仮想通貨取引所が管理するため、秘密鍵の紛失リスクが少ないとも考えられます。しかし、取引所がハッキングにあったり、アカウント情報が流出すれば、資産はなくなります。取引所は法律上、ユーザーの資産を保証する必要はありません。
もし大金を預けるなら、絶対に秘密鍵は自身で管理すべきだと思います。信頼できる取引所を選択することは当然ですが、取引後は別のウォレットに移すべきでしょう。
メリット :自分で秘密鍵を管理する必要がない
デメリット:仮想通貨取引所のトラブルで資産を失う可能性がある
国内取引所で安心を買うなら、断然ビットフライヤーです。セキュリティは米大手Coinbaseと並び、世界最高ランク、さらに1,000万円までの独自補償制度まであります。

2.モバイルウォレットとは
モバイルウォレットは、スマホに専用のアプリをインストールして管理します。アプリ上でウォレットの新規作成をおこなえば、アドレスと秘密鍵が生成されます。
持ち運びができすぐに取引が出来るため利便性は良いですが、スマホの故障やウィルス感染や、スマホ自体の紛失リスクがあります。
秘密鍵は自身で管理できるため、取引所のウェブウォレットよりは安全性は高いですが、大金を入れておくのはおすすめしません。少額管理で、普段使いに使用すると良いでしょう。
メリット :すぐに取引可能で持ち運びも便利
デメリット:スマホの故障やウィルス感染、スマホ事態の紛失リスクあり
ビットコインは「Copay」、イーサリアム系※1は「Trust」辺りがおすすめです。(当然、利用は無料ですよ)
ビットコイン:Copay Bitcoin Wallet posted withアプリーチ
イーサリアム:Trust – Ethereum Wallet posted withアプリーチ
※1 イーサリアムで発行されるERC20トークンも管理可能です。ERC20トークンは、「https://etherscan.io/tokens」で確認可能です
3.デスクトップウォレットとは
デスクトップウォレットは、パソコンに専用のソフトウェアをインストールして管理します。
上記の表で、「ホット・コールド」としたのは、普段はコールドウォレットですが、利用時はPCをインターネットに接続して利用するため、ホットウォレットとなります。
秘密鍵を自身のPCもしくは外部媒体に移動させて管理することが可能です。秘密鍵とシード(リカバリーキー)をいかに安全に管理できるかが重要となります。
シード(Seed)とは、特定ワードが羅列されたバックアップです。ウォレットで管理している秘密鍵のマスターキーのようなものとなります。
常時インターネットに接続されていないため、モバイルウォレットよりは安全性が高いですが、パソコン自体のウィルス感染やハッキングがあるのはリスクです。
メリット :自身で秘密鍵を管理できる、常時ネットに接続されていないため安全性が高い
デメリット:パスコンのウィルス感染やハッキングのリスクあり
ビットコインは「Electrum」、イーサリアム系は「MyEtherWallet」「Metamask」がおすすめです。
ビットコイン
Electrum(エレクトラム)のダウンロードは、こちらから
ちなみに、PCからDappsやDEX(分散型取引所)を利用するには、MetaMaskウォレットの利用が必須となります。「MetaMask(メタマスク)のメリットとMEWと比較したおススメの使い方」でもまとめたので参考にしてください。

4.ハードウェアウォレット
ハードウェアウォレットは、専用デバイスをUSB接続して秘密鍵を管理するタイプのウォレットです。仮想通貨資産へのアクセスが必要な場合、物理的にボタンを押して秘密鍵を送信することになります。インターネットに繋がっていないため、安全性が高いです。
ウォレットを作成する際、Seed(リカバリーキー)を控えるため、ハードウェアウォレットと控えたSeedを安全に管理すれば、リスクはほぼありません。万が一、専用デバイスを紛失しても、もう1台の予備があればSeedから復元できます。
利便性と安全性を考慮した場合、ハードウェアウォレットでの管理が一番おすすめです。やはり物理的な操作が必要というのは、安心感が違いますよ。
メリット :ネット接続はないため安全性が高い、物理的な操作で安心
デメリット:デバイスの故障、Seedの控えミスで資産を失う可能性がある
ハードウェアウォレットは、TREZOR(トレザー)、Ledger(レジャー)が有名です。但し、購入する際、Amazonや楽天、メルカリで買うのはおすすめできません。最悪の場合、ウィルスなどが仕掛けられており資産を盗まれる可能性もあります。(既に被害に会われた方もいるようです)
必ず、公式サイトまたは正規代理店から購入しましょう。参考に、日本の正規代理店を紹介しておきます。
2店舗とも本社の公式ページに代理店として掲載されているため、問題ないかと思います。取り扱い通貨や使い方のマニュアルは、各ページを参照ください。
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5.ペーパーウォレット
ペーパーウォレットは、文字通り「紙」で保管しておく方法です。きちんと管理すれば最も安全ですが、紙の劣化や紛失のリスクはあります。
メリット :正しく管理をすれば、最も安全な管理方法
デメリット:紙の劣化や紛失リスクあり、いざ使うときは手間がかかる
ちなみに、ビットコインのペーパーアドレスは、以下のサイトから作成可能です。
開いた画面でマウスをグリグリ動かして、100%になれば完成です。このアドレスに資産を移し、紙を安全に管理すれば良いです。


まとめ:ウォレットの管理で気を付けること
いかがでしたか。何度も言っていますが、いかに秘密鍵を安全に管理・保管するかが重要です。
モバイルウォレット、デスクトップウォレット、ハードウェアウォレットについては、必ず秘密鍵かSeed(リカバリーキー)を紙に書いて、安全な場所に保管しておきましょう。万が一、その端末を紛失しても、秘密鍵かSeedさえあれば、別の端末から復元することが可能です。
ちなみに、秘密鍵やSeedをパソコンのメモ帳やスマホの写真で、デジタル管理するのはおすすめしません。万が一、その端末がハッキングにあった場合、わかる人が見ればわかりますよ。
一番のおすすめ管理方法は、出先でも操作できるよう少額をモバイルウォレットに入れておき、がっちり守る資産をハードウェアウォレットに入れておくことです。
みなさんにあった管理方法で、自分の資産は自分で守りましょう!